土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
変位法要素としての弾性カテナリー
阿井 正博大隅 祐史
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 2000 巻 661 号 p. 27-32

詳細
抄録

構造用ケーブルは, はり部材等と組合わせて用いられるのが普通であり, 汎用的なケーブル構造解析としては, やはり, 変位法が考えられる. 本文では, 弾性カテナリーによる変位法ケーブル要素の展開とその適用を示している. その表現は, 任意のたわみに対して正確であるが, 水平張力成分がなく鉛直に垂れ下がる状態で特異となる. 特異性の程度を明らかにしながら, それを除去する数値処理の方法を提案しており, 一貫した構造解析を可能としている. 弾性カテナリー要素では, 両端節点位置に対する張力成分は陽な表現にはない. 変位法要素としてその張力成分が, 特異状態をも含めて, 収束値として常に得られる1つの数値計算法も示している.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top