2019 年 14 巻 2 号 p. 61-66
【目的】世界保健機関(WHO)による「緩和ケアの定義」について定訳の作成をデルファイ法により行った.【方法】18の学術団体から構成される緩和ケア関連団体会議(以下,会議)が母体となり,定訳案作成と各団体3名ずつの計54名の専門家によるデルファイ法で定訳の合意を図った.原文の主文と9つの副文について,「全く適切ではない」(1点)から「とても適切である」(9点)の評価を行った.中央値7点以上,最大と最小の差が5点以下の場合を合意基準とし,会議にて定訳を作成した.【結果】計3回のデルファイを行い,回答率は第1回 100%,第2回 93%,第3回 91%であった.事前に定めた合意基準に達した文章は30%であったため,会議において協議・検討し,定訳案とし,各学術団体からのパブリックコメントを経て確定に至った.【結論】緩和ケアに関連する学術団体が共同でWHOによる「緩和ケアの定義」の定訳を作成した.